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居心地の良い空間をつくる

会社案内

日本の「窓」は、「間戸」

 窓は本来、壁や屋根に空けられた穴のことで、この概念は西洋のもの。石や煉瓦を組積した壁を基本構造とした西洋建築では、壁に窓を空けることは、工法的に難しく、大きなテーマでした。その点、日本の伝統的家屋の構造である木造架構式の場合は、まず木材で柱や骨組みを作ってから、屋根を作り、そのうえで柱と柱の間を壁や建具で埋めていきますから、窓を空けるのではなく、むしろ空いているところをふさぐことによって窓が出来ました。ですから、日本に「マド」という言葉が輸入されたとき、それに相当するものがなく、柱と柱の間(マ)に設けられる戸(ト)という意味で「間戸」と名付けられたそうです。
 また、日本は温暖な島国であるため、外敵から身を守る必要がなく、自然と一体化して暮らすという考え方や、夏の暑さ・湿気対策のために、垣根を外壁と捉え、内壁はできるだけふさがない、開放的な造りがよいとされていました。
 「日本の家をつくる」を住まいづくりのテーマとするサン工房では、住まい手の意向に合い、かつ建築的条件が許す限り、庭に面した壁には、できるだけ大きな窓を設け、庭(=自然)と室内が意味的、視覚的に一体となった、いわば、「そもそもの日本の家」を建てています。

「内」に「外」がある家

 都市部の住まいでは、明るさや開放感を追求しながら、外部からの視線を遮る工夫が求められます。それを実現する手法の一つが「家の『内』に『外』を取り込む設計」です。
 例えば、家の中央に空とつながった庭をつくってみる。その中庭を囲むように居室を配置することで、内(中庭)に開いて外(隣家や道路)に閉じる住まいになります。
 その中庭から天を仰げば、青く四角く切り取られた、スクリーンのような空が見えるでしょう。流れる雲や、夕焼けから薄暮、星空へと刻々と表情を変えるなど、そこで繰り広げられる動きや変化は、いっそうドラマティックなものとして目に映ります。
 中庭や大きな開口部(窓)には、「外」を室内に取り込むだけでなく、カンバスや額縁のように「景色を切り取る」という効果もあるのです。
 「内」の中に「外」を設ける。それは、プライバシーの確保と開放感を両立させるとともに、何気ない暮らしの中に思わぬ詩趣性をもたらす有効な手法といえるでしょう。

空気の流れを設計する

 視覚的な感覚だけでは、ひとは心地良さを感じることはできません。やはりその場に合った適度な温熱環境が無くては、いくら気持ちの良い空間でも逆に不快さを感じることもあります。では、快適な温熱環境を得るためにはどうしたら良いのでしょうか。
 現代の日本の家では、当然断熱の仕様や設備に頼ることが必要となるでしょう。しかし、私たちサン工房の家では、なるべくなら夏の涼風や冬の暖かい日射、すなわち「自然の力」をなるべく利用したいと考えます。
 また、「室内環境」を語るとき、キーワードとなるのが、断熱、換気、通気、省エネなどの言葉です。そして、これらすべては、室内の空気の流れと密接に関わってきます。空気は暖かいと軽くなって上昇し、冷たくなれば重くなり下降します。すなわち空気は、温度差によって動く。これが基本です。たとえば、狭小地の家で解放感が欲しいというとき、吹抜けを設けたり、天井を高くしがちですが、冬、暖かい空気が上に溜まり、寒い日には同時にそこから冷たい空気も降りて来てしまいます。肝心なのはバランスです。天井の高さ、部屋の広さ、間取り、壁と窓の関係など、空間によってさまざまな制約をうける空気を、逆に空間をうまく利用し、循環させることができれば、快適な「室内環境」づくりへと一歩近づけることができます。そして、豊かなノウハウから仕様を選択し、知識と経験から熟慮し、最適なバランスを見つけるのが、私達「設計」の仕事なのです。