「むつびの家」の記録 施工編
前回のブログでは「むつびの家」改修計画について紹介しました。
今回は実際の工事内容についてお話します。
まずは解体工事です。
浴室解体後
水廻りは漏水により、柱の根本や土台が腐ってしまう例がよく見られます。
昔のタイルの床や壁は目地の亀裂等から漏水し、下部の木材を劣化させます。
このような場所に白蟻が入るケースもあります。
これが「開けて見なければ分からない」部分です。
柱と土台の交換
劣化した部分をそのままにする訳にはいかないので、材料を交換します。
周辺の既存部分との高さ調整し、大工の手により復旧します。
その他、屋根の漏水状況の有無、柱や筋交が図面の通り存在するか、
基礎のクラックや白蟻被害は見られないか等、解体した部分は隅々確認します。
構造部材の復旧が完了すると、新しい材料を施工していきます。
床断熱の施工
発砲プラスチック系の断熱材を敷き込んでいます。
壁断熱の施工
繊維系の断熱材をはめ込んでいます。
サッシの交換、外壁下地の施工
サッシ交換をした周辺は外壁も再施工しています。
防水や気密が連続するよう、既存との取り合い部は注意して施工します。
サッシの交換
サッシやガラスの交換はエアコン負荷軽減効果も大きいため、
面積の大きな南面のサッシは積極的に交換しています。
ポーチ屋根増築
南面に屋根付きの物干し場を増築しました。
屋根が抜けている部分にはガラスをはめ込みます。
外観がちぐはぐにならないよう、素材や色は既存建物に合わせています。
外壁防止下地
外壁モルタル下地
外壁塗装仕上げ
解体した外壁は、いくつかの工程を経て、元の外壁のように復旧しました。
外壁色は塗装職人が色合わせを行い、既存部分との継目を限りなく自然に近く仕上げています。
下地作りから仕上げまで、私の想像を超えた仕上がりになりました。
その他にも、傾いた床の修繕、解体した柱に出来た穴への埋め木等、
見えない部分まで大工職が丁寧に仕事をしてくれました。
・・・
お客様から「家の寿命は何年ですか」としばしば質問を受けますが、
改修工事をしていると、
家づくりに関わった職人の手の掛け方ひとつで変わると、よく感じます。
解体した具合を見ても当時の大工の良し悪しが分かりますし、
難しい施工をしている部分では漏水などの不具合がよく見られます。
前回のブログでも書いたように、
改修工事では現状をきちんと知ることが「丈夫で長持ちする住まい」への計画の第一歩です。
見学会会場ではより詳しく、写真や図面でご説明したいと思います。
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