先日、袋井の家(仮)が上棟を迎えました。 作業状況や材料、工法についてレポートしていきたいと思います。
上棟作業は、柱や梁といった骨組みを組立て、建物の骨格をつくります。
そして屋根を構成する「垂木」や「登り梁」を架け、屋根の下地を施工していきます。
作業前の状況です。 基礎の上の木材「土台」は予め加工して取付けます。 この土台はボルトによって基礎と緊結しており、地震や台風による力を基礎に受け流す役割があります。 私たちは(耐久性に優れる)県産材のヒノキを使用します。
上棟作業が始まりました。 まずは土台の上に柱を建てていきます。 柱材は県産材の桧を使用しています。
柱を建て終えると、その上に「梁」を架けていきます。 長い柱は「通し柱」といい、2階まで伸ばした構造上重要な柱です。
2階の床を構成する梁の施工状況です。 梁の上の合板張りで床面の強度を確保するため、マス目状に梁を組みます。
梁どうしを繋ぐ際は「継手」と呼ばれる技術を用います。 継手は総称で「鎌継ぎ、蟻継ぎ、追っ掛け継ぎ」等、様々な種類を部位ごとに使い分けます。 この写真は「追っ掛け大栓継ぎ」と「金輪継ぎ」を組み合わせたものです。
木材どうしを組み合わせ、上と横から木の栓を差し込みます。 材料の加工は全て大工の手作業で行いました。「手刻み」といいます。
継手が完成しました。 金物による継手が一般的ですが、木材による継手は見かけが美しく、構造耐力も優れることが実験により証明されています。
柱と梁の固定にも木材の栓を使用します。 「長ほぞ差込み栓打ち」といい、柱を梁に差込み、横から栓をします。 こちらも金物による固定が一般的ですが、長期耐力が優れる木材を用いています。
2階の床となる合板を敷き、柱を建てています。 屋根の形状に合わせ、それぞれ長さが違います。
屋根の最高部の梁「棟木」を取り付けているところ。 棟木にも継手が施されています。
「建前」「上棟」「棟上げ」等いろいろな呼び方がありますが、 棟木を上げることで骨組みが完成するため「上棟作業」といいます。
棟上げ後は、屋根を構成する木材を組みます。 この家では斜めに梁を架ける「登り梁工法」を採用しています。
だんだんと家の形が分かるようになってきました。
日が暮れる前に上棟式を行い、作業を終了します。 上棟作業は通常2日にかけて行います。 2日目は、残りの1階部分の屋根架構や、屋根や壁の防水下地施工を行います。