穏やかな光
先日、愛知県犬山市にある寂光院に行きました。
紅葉で有名なことから別名「もみじでら」とも言われるほどで、今の季節には境内にある約1000本のもみじが色鮮やかに染まるので見応えがあります。
秋の季節だけでなく開花する時期が異なる草花が建物周辺に植えてあり、四季折々楽しめます。
寂光院は654年に建立されたのが始まりと言われております。
軒が深く、その軒裏に表わしとなっている木材は(垂木と呼ばれる木材です。)間隔をあえて狭くして造り上げていることで、木製格子のような繊細な雰囲気があり連続性が美しく感じられました。
1000年以上も前から現在に至るまで美しさという点においては訪れる皆さんに共感されるという事は魅力的です。長きにわたり飽きがこない意匠の一つといえますね。
しばらく建物を見学しましたが中でも北庭を眺める場所の居心地が良く感じました。
何故そう感じるのだろうかと写真を撮って見てはしばらく自問自答しておりました。南側の元気な光も好みですが、この日は雨天という事もあり、縁側と軒下空間に適度な穏やかな光が落ちてきておりました。
北庭の景色が優しく感じられ、深い軒とせり出した縁側のバランスが私好みに感じました。
このように【好み】に関しては皆さん異なると思います。
皆さんの設計希望を伺う際には好みについてなるべく多くお話を伺わせて頂きたいと考えております。
ご希望に寄り添えるご提案ができるよう日々設計に取り組んで行きます。
鈴木清澄