だんだん暗く

先月29日は中秋の名月。
美しい満月の様子をご覧になられた方もいらっしゃると思います。

まんまるな月を見上げながら、以前京都の大徳寺、大仙院で石すらない白砂の庭を見て何のための庭で
どう見たらよいのかと疑問に思っていたところ、かつては月明りを白砂に反射させて、室内を明るくしてお経を読んだり
読書をしたというお話を伺ったことを思い出しました。

月の光を反射させて、室内に入れるという考え方は設計においてあまり考えたことがなかったのですが、
日当たりがあまり取れない敷地条件の中で、庭の白砂に光を反射させて
室内に少しでも光を入れるという提案を庭師さんにしていただいたお住まいもあります。

月明りも照明の一つだとすれば、夜の過ごし方が少し変わるように思います。

満月の夜には天井の照明を消して少しの灯りで過ごしてみてはいかがでしょうか。

秋の夜長に月明りを楽しむのも日本人らしい過ごし方なのかもしれません。

山口江梨子