時間と建築
サン工房の家づくりに『日本の家をつくる。』と『設計事務所がつくる家。』
を掲げています。
その、日本の家をつくる。のコンセプトは、真新しい家は、気持ちがいい。
でも、ただ新しいだけじゃなくて、できたばっかりなのに懐かしさを感じるような、心の奥で遠い記憶がよみがえるような、そんな家は、もっといい。おかえりなさい、日本の家に。
家づくりは、住みごこちのよさ、性能、機能、丈夫で長持ちする家はもちろんのことですが、コロナの影響を受けても建築を生業とする私たちは社会のインフラを担っている責任があります。
時代という時間の流れには様々な出来事があり、乗り越える力をつけて継続をすることが、住まい手に安心を与えることと思います。また、大事なことは、家とは何かを考える事と思います。丈夫で長持ちは当たり前として、家にいる時間とはなにか。家族の記憶は時間とともにつくられ、その家は穏やかな記憶を残す場面づくりにもあると思います。
台所から聞こえてくる母の声、父が座っていた椅子、四季折々の佇まい、少年から青年の記憶は大人になって新しい家族を築いても忘れることはないと思います。
時間とともに家も経年変化を遂げながら懐かしさを感じられれば幸いかと、思いながら住まい手に寄り添う家づくりを目指していきたく思います。
松井進