白い壁の可能性
サン工房では、多くのお宅の壁や天井に白い塗り壁を使いますが、
先日見に行った完成前物件で、あらためて白い壁の可能性を感じました。
自然の中で、白はとても目立ちます。
ユリや蜜柑、ハナミズキ、コブシの白い花はすぐ目に止まります。
でも一方で、白は何にでも染まるという特性も持っています。
私が感じる白い壁の可能性はそこなんです。
白が単独で存在した場合はとても目立ちますし、
真っ白い空間の中では、緊張感を感じたり、目が疲れたりします。
工事中の白い空間。光や影が入ってきてますが、周りに白以外の色がほとんどないので、
真っ白い空間で緊張感が強い印象があります。
でも、その白い空間の中に、他の色や光や影が入ってくると、
途端にその表情を変えます。
外から入った光が茶色の床に反射し、白い壁や天井を薄く染めています。
先程より緊張感が和らぎ、温かみのある空間に変わっています。
最終的に仕上がった状態。床からの反射と影が白い壁を影が染めていますね。
温かみがあり、落ち着き感のある寛げる空間になりました。
別のお宅とですが、白い壁が他の色や光や影を受けて、とてもやさしい印象が出ています。
こちらは、まさに時間によって動く絵のようですね。
こちらもそう。飽きないですし、絵では表現できない味わいです。
このような個性の強い照明も、余裕で受け止めてくれます。
白い壁の上手な使い方は、どんな光、どんな影、どんな色と、
どのくらいの割合で混ぜて存在させるか、なんですね。
「白は引き立て役として使う。」あらためて白い壁のすごさと可能性を再認識しました。
大西等