暮らしの原形になること

住まいの設計をさせて頂く際に、まずは皆様には暮らしのご希望を伺わせて頂く事からになりますが、時には現在のお住まいの様子を拝見させて頂きながら暮らしの中で大切にしていることや好きな事はどのような事か、又、現在の暮らしの中で不便に感じる事や新たに変えて行きたいこと等のお話を伺わせて頂きます。

そして伺わせて頂いた内容を設計提案の際には大切な情報の一つにさせて頂くのですが、住まい手が何気ない日々の暮らしの中に感じる心地よさは何かというところまで落とし込むことが、とても大切な事だと私は思います。

例えば二階の寝室で朝目覚めて階段をおりて身支度をするという、よくある日常の生活動線の中で、ふとした瞬間に目に映る情景がその方にとって心が穏やかになる風景であれば、毎日がより一層楽しくそして癒される事になるのではないでしょうか。

このような一例ではありますが、皆様の心が和らぎ、穏やかになる瞬間はどのような時でしょうか。雑談を交えながら楽しくお話を伺う事で、皆様が望まれている暮らしの原形に繋がっていくと考えております。

鈴木清澄