ふるまい
買い物に少し疲れて外を見やると、窓辺に休むのにちょうど良さそうなベンチを発見。
鹿の置物を避けて座ると、自然にソーシャルなディスタンスが取られている。
ガラス越しの路地から店内に視線を移すと、目の前には電光掲示板と背の低い本棚が。気付けば普段なら手に取らないような「やきものの教科書」なる本を手に取っていた……。
「ふるまいをデザインする」とは建築家の中村拓志さんの言葉ですが、先日行ったとある雑貨屋さんで、まさに振る舞いをデザインされたなあと思ったひとこまでした。
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日々の暮らしにおけるふるまいは、意識せずに自然にこなしているものだと思います。良い場合には気付かれずに過ぎていき、違和感や不都合のある場合には不満として募っていったり、いつの間にか慣れて当たり前になったりしていきます。
例えば、家に帰って来たとき、玄関横の台にちょっと荷物を置いておく。
出窓のベンチに腰を掛けると、自然にリビングの家族の顔が見える。
お客様との対話の中で、そうした暮らしの場面を想像して設えを用意することで、違和感のない心地よいふるまいを作っていけたらと思います。
鈴木孝明