日陰の効能
戻り梅雨の様な空模様が続いていますが、本格的な夏の到来を控え、我が家も『夏の設え』をしてみました。
我が家のリビングは南面に掃出しサッシとウッドデッキがありますが、流石に夏の直射を受けると窓辺もデッキも熱くなりますので、小庇からサンシェードを取付ました。
(小庇は外壁60cm程出ており、冬の日射を積極的に取り込む設定です。それでも計算上は、夏季の日射は直接室内に入らない寸法です。)
どうせ取り付けるなら、温熱環境がどの程度変化するか、サーモカメラで各部の温度を測定してみました。
7月17日 曇り/晴れ
エアコンは朝から自動設定で入れています。
取付前
10時 外気温29℃、室内温度26℃ 湿度75%
サーモカメラで撮ると・・・
ガラス表面の最高温度が28℃、最低が26.1℃、中央が26.9℃です。
屋外の様子
サーモカメラで測定・・・
ガラス表面の最高温度は37℃になります。
ウッドデッキはというと・・・
一番熱いところで、47℃もありました。
サンシェードを設置して、その後の温度変化も測定してみます。
11時 外気温30℃ 室内温度25℃ 湿度75%
一時間経ちました。
経過はどうでしょうか?
屋内ガラス表面は、中央で25.2℃となっています。
屋外はどうでしょうか?
一時間前より、だいぶ日光が出てきました。
シェードの影の中は、37.4℃程度に抑えられています。
直射が当たっている所は、53.7℃にもなっています。
反対側も計ってみましょう。
なんと!一番熱いところは60℃を超えていました。これでは、火傷をしてしまう恐れもありますね。
12時 外気温33℃ 室内温度26℃ 湿度70%
さらに1時間・・・
同様に計測してみます。
室内ガラス面は、中央25.7℃ 温度上昇が抑えられています。
ウッドデッキ表面は、40.4℃ こちらも上昇が抑えられています。
日射が直接当たる面は、60℃でほぼ変化はありません。
今回、初めて温度の変化を測定してみましたが、数値で表すと、より日陰の効果が分かりやすく感じます。
『夏を旨とすべし』
縁側や土庇は、夏季の室内の環境をなるべく一定に保つ、昔からの知恵です。
現代では、敷地条件や近隣環境など外的な要因に左右される場合も多くありますが、こういった先人の知恵を忘れず、設計に取り入れていくことの大切さを改めて感じました。
杉浦和寛