建物見学
先日、滋賀県の近江八幡市にありますラ コリーナという建物を見学してきました。建築家の藤森照信さんが設計・施工された建築物で、以前から私も訪れてみたいと思っておりました。自然と人工物が一体となるような建築を多く手掛けるのが特徴的と言われております。(浜松市天竜区にも同じく藤森さんが設計された素敵な美術館で浜松市秋野不矩美術館がありますね。)
ラ コリーナは屋根が芝で覆われておりますが、これは建物の前庭と建物より少し後ろ側にある山々とが自然な形のまま繋がっているかのように見せる為、屋根に芝を使っているように思えました。
そして軒は低く抑えられて、屋根と前庭もが繋がるような雰囲気にしたいという想いもあったのではと感じました。
前庭はほとんどが笹の一種で造られており、1mを超えるくらいになるそうですので芝の屋根との距離がより一層近くになりそうですね。
壁は左官職人さんが丁寧な手仕事で仕上げており、あたたかみを感じました。
どこか懐かしい雰囲気がするのは使われている仕上げ素材と建物全体の佇まいではないかと思いました。
設計を藤森さんに依頼された際には、唯一伝えられたコンセプトが” 丘 ”だったそうです。
この言葉から設計されていったとの事ですから、とても豊かな発想力です。
今回、実際に建物に訪れる事で建築と自然(庭や外部環境)との融和を感じることが出来ました。
いかにして外部と内部がひとつながりになれるのか、そして外皮の断熱・気密・日射遮蔽もしっかり計画しつつ、空気や光を取り入れる事ができるか。それを実現する為には多岐にわたりバランスよく考える事が大切だと改めて思いました。
常に広い視野で物事に取り組み、特定の部分にあまり偏り過ぎない心で設計に臨みたいと思います。
鈴木清澄