施設建築も木造で。

愛知県岡崎市を中心に設計施工をしております「サン工房・スタジオ」で手掛けました『木』のこどもクリニック(三重県桑名市)が完成し、設計・監理スタッフを中心に合同勉強会を開催致しました。



こどもクリニックですので、患者さんへの配慮やスタッフの動線計画がとても重要になりますが、住宅設計で培われたプランニングは勿論ですが、「居心地の良さ」も合わせて体感する事ができました。

施設建築は、大空間がつくりやすい、コスト面や設計・施工のしやすさなどから鉄骨造で建築する事が多いと思いますが、昨今の木材の利用促進もあり最近では木造の施設も増えてきたように思います。


↑ ↓ 設計から完成までを熱弁するサン工房・スタジオの袴田社長

また既製品だけに頼らない、作れるものは造る、木の素材を活かした大工技術も随所に盛り込まれており、”病院”というと白くて緊張感のあるイメージがありますが、木の香りに包まれた待合室は、訪問者の緊張をほぐし安心できる空間です。人が住むための建築ではないのですが、その心地よさに私たちもついつい長居してしまいました。


↑ 作れるものは造る

サン工房では木構造の見せ方、組み方またそれに対応できる大工技術や、またその技術から生まれる自由な設計など、多くを積重ねて参りましたので、それをこのような施設建築にも応用する事ができます。


↑ 左がサン工房・スタジオの社員大工の長谷川さん。袴田社長の設計趣旨を読み取りながら様々なアイデアでより美しい納まりや大工技術から新たな意匠を生み出していく。設計と大工技術のコンビネーション。

↑ ↓ 木と木をつなぐ「継ぎ手」大工技術が必要な箇所ですが、継ぎ手に必要な金物や込栓が必要以上に見えないように考えられております。完成すると気づかないのですが、綺麗に見える空間は「気づかない」の積重ねから生まれます。

また、大工の長谷川さんは断熱、気密、空調の事に関してもとても意識が高く、断熱・気密施工の理想と現実の差異や、だからこその重要性、また温熱環境のシミュレーション結果などを自ら作成し、詳しく説明頂きました。直接施工する職人の理解があるのと無いのとでは、性能にも違いが現れます。


↑ 住宅以上に重要な診療所の換気計画も考えられている。


↑ 設計を担当した袴田社長と施工を担当した社員大工の長谷川さん。

完成まで様々な苦労や意見交換があったとお聞きしましたが、お互いの技術を信頼し合っており本当に良いチーム。

設計と施工、お互いが同じ目的に向かい良いチームが出来た時、必ず良い建築ができます。完成を迎えたふたりの清々しい顔がそれを物語っております。

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「施設を木造で建てる?」「木造で計画したいけどどこに頼めば良いのか?」とお悩みの方も、木造建築の設計・施工技術を長年培ってきたサン工房では、施設建築の設計から施工まで手掛けておりますので、お気軽にお声がけ頂ければと思います。

何より実際にご体感ください。オーナー様のご厚意で3/3までご見学頂く事ができます。下記よりご予約くださいませ。

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※当建物の設計から施工中のブログ(サン工房・スタジオ)

岡本 茂揮