線一本 2

私たち設計者は日々、設計図と向き合っています。

使い勝手の良い寸法か、綺麗なプロポーションかなど、図面上で確認、判断していく事の連続です。

しかしながら、それらはあくまで寸法上、見た目上のはなし。

実際どういう手順で作るのか、メンテナンス性はどうなのかなど、目に見えないところも同時に検討しなければなりません。

図面上で好き勝手描くのは簡単ですが、それを形にするのは職人の技術があってこそ。

逆を言えば職人の技術を知らなければ設計はできないということでもあります。

自由なデザインを実現するには職人の技術が必要で、また職人の技術がデザインを自由にしてくれると言うことでもあります。

サン工房では社員大工も含めた職人との対話を重ねながら、新しいデザインや設計提案を生み出す技術があります。

その技術を活かすのは設計者であり、それが設計者の技術。

職人に手をかけて造って頂くからには、分かりやすく、想いの詰まった図面でなければなりません。

そして、完成するものは美しく、使いやすい設計になっていなければなりません。

住まい手、つくり手に寄り添い、線一本の責任を感じながら、これからも図面と向き合っていきたいと思います。

藤井南帆

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