子供と暮らせる時間

浜松もいよいよ桜が見ごろを迎えました。
私の通勤路にも何ヶ所か桜を見られる場所があり、
目に入るたびに春を感じ、嬉しくなります。

また春は年度末ということもあり、出会いと別れの季節でもあります。
お子さんがいらっしゃるご家庭では、
卒業式、卒園式、入学式や入園式を迎えられる方もいらっしゃると思います。

こういった式は、子供の成長をあらためて実感できる素晴らしい機会であり、
3児の父である私も、出来る限り出席するようにしています。

そして成長した我が子を見る度にいつも思うことがあります。

「この子と一緒に暮らせる時間は、あとどれくらいだろう。」

もちろん生きている限り親子の関係が無くなるわけでないのですが、

毎日一緒に寝起きして、ご飯を食べて、いろんな話をして、テレビを見て笑って、些細なことで喧嘩して、甘えて、怒って、泣いて、心配して、喜んで、、、そういう毎日を共にするのは、子供が自立して巣立っていくまでの間のことです。

子供が小さい頃は毎日が大変で、この暮らしに終わりがくることを想像すらできなかったのですが、思春期を迎えた頃からは、巣立ちの時期が指折り数えられるようになり、成長の喜びと一緒に巣立ちの寂しさを感じるようになってきました。

私は家の設計者として、お客様の暮らしの舞台をつくるお仕事をさせて頂いております。

どんなに寂しくても時間を止めることはできないので、子供達と一緒に暮らす時間はいつか終わりが来てしまいます。
だからこそ、子供達が巣立った後も、一緒に過ごした愛おしい時間が、より長く、より濃く、より多く親にも子にも思い出として心に残るよう、
そして、独り立ちした子供達にとっての心の拠り所になるよう、
つまずいた時に帰ってこられる場所として在り続けられるようなお家をつくりたいと思っています。

ご卒業、ご卒園おめでとうございます。
これからも素晴らしい思い出がたくさん生まれますように。

サン工房 設計 大西 等