会津さざえ堂
夏季休暇中に、友人に会いに福島県へ行ってきました。
これまで東京よりも北へ行ったことが無く、移動中も浜松とは異なる部分が多数あり、とても新鮮でした。
福島県民の皆さん、「信号機が縦だ!!すごい!!」と喜んでいる人が居たら多分私です。
色んな場所へ友人に連れて行ってもらいましたが、今回は会津若松市の飯盛山にある「会津さざえ堂」についてお話しさせていただきます。
会津さざえ堂(会津若松観光ナビより)
寛政8年(1796年)に当時の住職であった郁堂(いくどう)が考案建立したもので、六角形の平面が3層に重なり、高さが約16mあります。
中はらせん状になっており、昇り降りの通路が別々に分かれた不思議な形をしています。
正面から上りスロープを参拝しながら頂上に行き、下りスロープに移って裏口へ下りていく一方通行の流れになっています。
▼入口の郁堂禅師像(左が順路スタート部分です)
さざえ堂は江戸時代後期の東北から関東地方にかけて見られた仏堂であり、順路に沿って三十三観音や百観音などが配置され、堂内を進むだけで巡礼が叶うような構造となっていました。
江戸時代の庶民にとって各札所を巡るのは夢の一つでもありましたが、時間もお金も厳しく諦めざるを得ませんでした。
このさざえ堂はそんな夢を叶えるためのものであり、一度に三十三の観音像を廻ることができるこの構造は庶民の人気を得ました。
この中でも会津さざえ堂は、上記でお話ししたように二重らせん形通路になっており、日本唯一、世界にも例を見ない珍しい作りとされ、平成8年(1996年)に国の重要文化財に指定されました。
元々形がすごく独特なことは知っていましたが、今回実際に行ってみてその理由を知る事ができました。
建築物は、風雨をしのぐだけでなく、人々が集う居場所をつくるものでもあります。
郁堂禅師も会津の人々の事を想って建てたのではないかと思います。
家族が楽しく過ごせる、地元の人々が交流しあえる、県外から来た人たちの想い出に残る、そんな建物を提案していきたいです。
竹内 花織