本物の良さ
設計作業における材料選定にあたって大切にしていることがあります。それは長く使える本物を選ぶということです。
初めの見た目は、あるいは偽物の方が本物よりも良い場合がありますが、時間が経つにつれて、本物の材が醸し出す風合いは、偽物を圧倒的に凌駕します。
これは見た目だけの話では無く、家を生活の道具として捉えた場合、長く生活者と共に歴史を刻み、勝手を知りつくし、自分達の生活に無くてはならない存在そんな道具になりうるには、本物の材料が欠かせません。
アンティーク家具やクラシックの時計などはその最たる例で、造られた当初よりも価値が高まり、持ち主は変われど、大切に使い続けられ持ち主よりも長く生き続けています。
さらに、ものである以上、時に傷んでしまうことは避けられない宿命ですから、直し続けられる、という性能も求められます。
その場合においても、修繕に耐える本物の材の強さが欠かせません。
同時に、修繕できる技を持った職人、修繕の仕方を知っている製造元の必要性も非常に大事なことになってきます。
良いものを長く使う。
これからの時代の価値観(サスティナブル)に合った、本物の材料と造り方で造った家を、今後も造り続けていきたいと思います。
大西等