茶道から学ぶもの
先日、お茶室を作りたいという御夫婦が弊社に来場くださいました。
規模としては小間で、水屋と待合あり、とのこと。
私は大学時代、京都に住んでおり、せっかくだからと
京都出身の同級生の紹介で教室に入りました。
そこは裏千家の教室でした。
(当時裏千家、表千家があることもわかっておらず)
先生がよく、家づくりの際に設計の方とこんな話をしたとか、
どんなに伝えたつもりでも、思っていたことは100%通じず
願いが叶わなかったことなどをおっしゃっていたので、
お茶室を作るということは、そこを使う人の動作や
主人の理想のもてなし方について聞き
慎重に取り組まなければならないのだと教えていただきました。
今思えば、建築を志す学生ということで、敢えてお話しくださったのかもしれません。
↓お施主様との会話を重ねて完成したお茶室通って来られる方は、10代から60代まで老舗の和菓子屋さんや
呉服屋さんという普段では接することのない方で
様々な世代や伝統的なお仕事の方とお話ができ、
茶道以外にも学ぶことが多く楽しみでもありました。
夏の暑い日に、水を捨てるザっという音で涼を感じさせたり、
花いかだ、など季語から連想する風景や
茶碗一つふきあげるにも無駄のない動作
日本人の感性がぎゅっと詰まっているのが興味深く
自宅でも気軽に楽しめるよう茶碗や茶筅を購入したり
高桐院の奥にある小間の茶室が好きで、何度も見に行くようになり
小さな空間に差し込む静かな光が入る様をスケッチしたりしていました。
↓高桐院HP、二畳台目の茶室、松向軒より抜粋
教室に通う中で、たくさんの所作を身に付ける必要はありましたが、
大事なのは、それを守ることではなく、もてなす人の想いと受け取る側が
快くその時間を味わえること、そしてお茶を通して互いに関係性が築ける
コミュニケーションの場であると教えていただいたように思います。
※弊社には、茶室起こし絵が保管されています。
ご興味のある方はぜひ、お越しいただけたらと思います。
↓茶室起こし絵(大工伝来)
山口江梨子