職住一体の暮らし
「職住一体の暮らし」と聞くと、店舗併用住宅や事務所やアトリエを構える住宅等、自宅と職場とが、ひとつの建物の中で区切られているイメージが強いかと思います。
ここ数年、コロナの影響もあり「職住一体の暮らし」は幅が広がっています。
テレワーク、リモートワークが一般化され、誰もが知る働き方となりました。
都市圏に勤務する方が地方に移住したり、旅行に出かけながら仕事をする「ワーケーション」という言葉も耳にするようになりました。
住宅設計においても「仕事場」の位置付けが変わったように感じます。
これまでは「ひとりになれる部屋が欲しい」ということで「家事室」や「書斎・趣味室」と名付けた部屋を設けることが多かったのですが、在宅ワークをする為の「仕事部屋」のご要望が多くなりました。
そして「家で少しデスクワークをする部屋」から「日常的に仕事をする部屋」に用途が変化しています。
使用する時間帯や必要な広さも具体的になるため、これまでの「書斎・趣味室」の設計に比べ、部屋の配置や窓の方位、明るさ、広さに注視するようになります。
仕事をするためにどの程度の明るさが必要なのか、収納はどの程度必要なのか、会議や電話の頻度、デスク周りに置かれている物、等、
職種によってどのように働き方が異なるのか、私自身興味を持つようになりました。
「在宅ワーク」と聞くと、「通勤の時間やコストが減る」「家族と関わる時間が増える」等、メリットが先行するように思いますが、仕事場としての環境が整っていなければ効率よく働くのは難しいのではないかと思います。
私自身、働き方の幅が広がるのはとても良いことだと感じていますし、設計者として、それぞれの暮らし方に適した住まいを提案することが職責でもあります。
「新しい日常」をきっかけに、住まいの設計の幅も広がると感じています。
増田光 サン工房 平屋 二階建て 木の家 浜松 工務店