住宅設計=暮らしをデザインする

住宅は大雑把に言ってしまえば、住まい手の暮らしを包みこむ入れ物です。
先日ある建築家の話を聞いていて、あらためて「やっぱりそうだよな」と思いました。

入れ物の良し悪しは、中身が良い状態で包まれているかどうかで決まります。
であるならば、私たちは入れ物を造っているのではなく、住まい手の暮らしを造っているのだ!
そう認識し、よい暮らしのために、入れ物はどうあるべきかを考えるべきです。

では、その「よい暮らし」とは何なのか?それを知らないといけないわけですが、
それは住まい手の主観や生活のしかた、言語化はできないけど、
「なんとなくこういうの落ち着くな」、「こういう感じ、好きだな」という、
潜在的な要望から生まれてくると思いますので、1にも2にも住まい手の心を知ることが絶対に必要になります。

そして、その心の内を表面化させるためには、会話がとても有効だと思いますので、
生活のしかたや持ち物、趣味嗜好の話だけではなく、その人のモノの捉え方、考え方、感じ方を知るために
いろんな話題の会話を積み重ねていくことが重要だと思います。

さらに設計者としては、そこから得られた情報を基に
その暮らしを敷地に当てはめた時、どうすれば、より暮らしやすくなるのか、
どうすれば、より豊かで安心できる暮らしが実現できるのかを一生懸命考え、形にする。
それこそが、まさに暮らしのデザインを考えるということ、
すなわち住宅を設計することではないかな、と思いました。

大西等

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