［もう一度、あの頃へ。］
友達と別れて帰路を急ぐ。わが家から漂う夕餉の匂いに心はずませながら。
玄関の引き戸を勢いよく開ければ、台所から聞こえる「おかえり」の声。
決して便利でも贅沢でもないけれど、心は確かに豊かだった、あの頃―。
そんな、一人ひとりの「あの頃」が詰まった空間として、
内と外を柔軟に繋ぐ土間をはじめ、南京下見板張りの外壁、
板張りの竿縁天井、粋な黒板塀など、今こそ見直すべき日本家屋ならではの
意匠や仕様、そして職人の「技」の数々を、実際に見て、触れて、
五感で感じていただけます。
また、和室や浴室に詩趣を呼び込む坪庭や、道路に面した路地の庭など、
趣の異なる大小五つの庭と建物が織りなす一体感も見所です。
