リフォーム記録
露天風呂をつくった
※大規模リフォームの軌跡の掲載は、今週はお休みです。
3年程前、露天風呂の計画に携わらせていただきました。
新築計画の当初から、クライアント様より露天風呂の希望がありました。車やバイク好きの方にはガレージ造りが夢であるように、露天風呂造りは、お風呂好きには憧れの計画だと思います、12年程前、私が自邸の計画をする時期は、月に3、4回は夫婦でスーパー銭湯に行くのが習慣化していたので、自宅に造りたいと思っていました。ですから、温泉などお風呂好きの私にとって、興味深いお話をいただき願ってもない機会だったのです。
さて、クライアントさんの家が完成し、いよいよ予定していたスペースに露天風呂の計画が始まりました。
まずは、旅館の露天風呂が載っているHPを参考に、情報収集をしました。浴槽の形をどうしようか?お湯の落とし口をどうしたらよいのか?床部分のすのこをどのように造ろうか?と完成イメージの打ち合わせから始まりました。
細かなところでは、給湯配管の経路、排水の経路、シャワーの位置や経路、そして、なんといっても旅館の露天風呂といえば、庭と照明が一番雰囲気を醸し出すのではないかと思います。普段では味わえない、とても楽しい作業でした。
図面の計画段階で、すのこの高さはフラットでご提案しましたところ、クライアント様から、腰掛られるように浴槽の高さで一部分すのこの高さを変えられないかとご相談がありました。家の脱衣所の床面からなるべく段差のないようにすのこの高さを計画していましたので、浴槽の縁はすのこより40センチほど上がっています。腰をかけるとすると最低2段は上げないといけません。それに、段差が生じるということは、滑ってはいけませんので手摺も欲しいかと思います。
設計の修正をします。脱衣所からの動線や、スペースを考慮しステップの位置を決めました。なんとなく良い感じのイメージになってきました。
プランが決まり、桧のすのこ材料や、浴槽を発注し、大工親方と打合せです。親方も大のお風呂好きでしたので、だんだんと施工の打合せも盛り上がってきました。
工事が始まりました。
最初に、信楽からオーダーした浴槽が出来上がり、届いた大きな丸形浴槽はスタッフの力も借り、6人がかりないでないと運べないほど苦労しました。
浴槽を囲うように大引きを組み、すのこの施工が順に進んでいきます。
少しづつ進み、浴槽の際までスノコ板を貼り進んできました。
この浴槽の際のR加工は、親方のこだわりです。流石に脱帽です。小口の仕上がりがとても見事。
ステップのところまで、すのこが進んできました。横から見たところです。
手摺の材料は栗にし、加工は変形の七角形。六角形でもなく八角形でもなく七角形です。手摺を支える束の先端もひと手間加工が施してあります。親方のテンションも上がっているのが良くわかりますね。
お湯の落とし口も信楽焼のオーダーです。シャワー水栓も壁に設置しました。これは、新築の段階で位置決めをしておいた部分です。
浴槽の縁の一部分は、腰掛られるよう2段で上がるようになりました。実際にお湯を出して、湯はり試験をします。湯が出たとたん、感動で「おー」と声が出てしまいました。なんとも雰囲気出てきましたね。
周囲に家がなく、覗かれる心配のないロケーションです。念のため背の高い板塀で目隠ししています。空と、緑がとても綺麗です。植栽をすると完成です。
このような、とても良い経験であり、また楽しませていただいたことに、作り手として大変感謝をさせていただきました。
リフォーム・リノベーション事業部 カスタマー・サポート
夏目 通宗