リフォーム記録
木製バルコニー改修 08【修復再生・完結編】
築年数、約18年目を迎えるお住まいの木製バルコニーの改修工事も、今回でいよいよ完結を迎えます。
前回では柱の継ぎ手が一本組まれシーリング工事にも手をつけています。
中柱の継ぎ手組みに続き、一番角の柱部分も組み固めていきます。
基本的に構造用ビスのパネリードは下穴無しでも打てます。
が、心配なのは木材の繊維方向につられて変な方向に打ち込まれてしまわないかですね。
そこでより安全に正確に打ち込むべく下穴をあけてから打ち込むようにします。
さすがにこれだけ長いとドリルと身体にかかる負担がとても大きいです。
一人が打ち込み、もう一人は下から押し上げるように支えて、協力して作業を進めます。
ある程度まで打ち込みができればこっちのもの!
後は落ち着いて一人で作業ができます。
これでようやくバルコニーの骨格部分の組み替えが整いました。
継ぎ手部分にもしっかりと込み栓を打ち込んでから余分なところを切り落としていきます。
本音は、柱のツラよりも少しだけ長さを残したところで込み栓を切りたいんですけどね。
ただこの場合は組み上げ後に鉋(かんな)でツラ合わせをするので込み栓が出ていると少々厄介なんです。
そこで今回は柱のツラで込み栓を切断することにしています。
だんだんと完成形が見えてきました。
ビスが見えないように樽栓(たるせん=埋め木)を打ち込んで、飛び出た不要な部分を切り落としていきます。
ここでシーリング業者さんにバトンタッチ!
先に細かなところからシーリング処理を進めていきます。
浸水という好まれない現象に対し、
① 少しでも疑わしきところ
② 少しでも可能性が考えられるところ
③ 少しでも防ぎたいところ
④ 少しでも長持ちさせたいということ
このような考えで先ずは細かな部分を見落とさずシール処理を進めます。
見た目とは裏腹に、細かい部分であるがゆえとても時間がかかります。
時間がかかるだけでなく、それができる技術も当然必要です。
大工職二人は隣り合わせたデッキの修繕に移っています。
局所的に劣化していたスノコは取り替えを行い、浮きのありそうなところは専用ビスで増し締めしています。
今回使用したビスはこちら ↓ ↓ ↓
同様のビスが色々と市販されていますのでDIYでも活躍してくれます。
またスノコだけでなく、その下地となる角材が劣化損傷している箇所も見受けられています。
歩くと付近がフワフワするんですね。
この場合、スノコだけを直してもダメ。
スノコを支える角材に添え木補強をしてからビスの増し締めをすることで、しっかりとした修繕が可能となります。
ちなみに使用した材料はハードサイプレスという材料。
耐久性も高く、油分を多く含み白蟻に対しても対抗性の高い材料です。
ハードウッドに属されますが、その中でも比較的扱いやすいのも特徴。
サイプレスはコスパも良いのでDIYにも適しているんじゃないかな。
他にも色々ありますが、中には鉄みたいな材料もあるのでご自身での材料選択は慎重に。
先ほどのシーリングですが最も重要な部分をしっかりと処理していきます。
この雨水の浸水については以下でも触れています ↓ ↓ ↓
これですね ↓ ↓ ↓
シール処理後を全体的にみるとこんな感じ ↓ ↓ ↓
詳細にみていきますよ。
先ずは一番角の柱部分から ↓ ↓ ↓
当たり前ですが、水は高いところから低いところに伝わる習性があります。
したがって、一番トップとなる笠木部分から始まり、その下のスノコ部付近までは外せませんね。
自分で想定した浸水ルートを、とにかくつぶしていきます!
ちなみに下から見上げるとこんな感じ ↓ ↓ ↓
同様に今度は中の柱部分 ↓ ↓ ↓
どうです?
見比べていただけると安心感が伝わりますでしょうか。
今回のシーリングの目的はズバリ防水。
しかし、残念ながらシーリングの寿命は半永久的ではありません。
風雨にさらされ、
紫外線も受けて、
かつ酷暑や極寒にも耐えて、
さらに木の伸縮にも追従しなければならない、、
これってかなり残酷で過酷な状況ですよ。
だからこそ、しっかりとした技術と仕事が要求されます。
合わせて、定期的なメンテナンス(やりかえ)も維持管理の視点では大切な工事になりますかね。
あと、シーリングを用いた必要作業がもう一つあります。
覚えてますか?
蜂があけてしまった穴のところです ↓ ↓ ↓
蜂のヤツ、好き放題やってくれちゃってますよ
( ̄▽ ̄;)
マスキングテープを”皮ポンチ”で丸くあけたりしたり、必要最低限で貼ってシール材を充填しました。
これで木製バルコニー改修における全工程が完了となります。
日も暮れてきて終わりを告げる良い雰囲気です。
現地調査に始まり修復再生に至るまでそれなりに色々ありましたが、お客様の要望に近づけた修復と再生ができたのではないかと思っています。
手前味噌ですが、計画内容と見比べても遜色なく仕上げることができたかなと。
今回の修繕に対しご尽力いただいた皆様大変お疲れ様でした。
お力添え本当に感謝しています。
その様子、とても疲れたね ↓ ↓ ↓
木製ゆえ永遠ということはなく、いずれは交換という事実は避けられません。
しかし今回の修復再生をもって、心配が安心に変わり継続してご使用いただければなによりです。
仕上げ塗装に関しては、お客様のお知り合いに委ねることになりますので、そこで全てが完結ということになります。
もし皆様のお宅におかれましても、
・心配なことや不安に思われていること
・不便に思われていること
・これって何かよい対策はないだろうか
・もっと使いやすくできないだろうか
このようなご相談やお困り事など随時受け付けておりますので、下記問い合わせフォームからお気軽にご連絡いただければと存じます。
昔みたいに『問い合わせしたらすぐに営業がすっ飛んでくる!』なんて時代ではないですよ。
先ずは問い合わせフォームからご連絡をいただき、そこからだんだんと自然な流れに沿って進めていければいいんじゃないでしょうかね。
家づくりも、時代と共にファッション感覚とセレクト感覚が強くなってきていますが、特に修復再生やリノベーションといった工事は雰囲気だけでは成立しません。
ご自身で各社を吟味いただき、その中で弊社に興味を持っていただけたらありがたいです。
そして、ちょっとだけ勇気を出して問合せいただけたら嬉しいです。
これにて【木製バルコニー改修・修復再生】が完結となります。
ここまでご覧いただきました皆様、大変ありがとうございました。
木製バルコニー改修 08【修復再生・完結編】
現場監理 金原