リフォーム記録
戸建リノベ・店舗増築 03【内装デザインと質感】
築35年の戸建住宅の増築リノベーション。
無垢の木・自然素材を使用したプライベートヘアサロンの計画です。
前回は間取りや外観のデザインを行いました。
全体の計画がまとまったので、内装のデザイン、照明計画、素材や色の選定をしていきます。
このようなスケッチで依頼主と完成イメージを共有していきますが、まずはどんなデザインを希望しているか、ヒアリングしていきます。
イメージ写真を集めて頂き、会話をする中で「ラワン合板」や「真鍮」が好みであることが分かりました。
素材を活かしながら、必要な明るさを確保し、装飾的になりすぎないよう全体をまとめるのが私の役割です。
また材料には規格寸法があります。
合理的に計画し、材料コストを最小限に抑えることも設計作業のひとつです。
カーテン、照明、スイッチ、エアコン等、設備機器の見え方にも注意します。
スイッチやコンセントの位置まで、できるだけ忠実に表現するよう心掛けています。
「ディテールは異素材がぶつかるところで発生する」と教えられたこともありますが、
窓や建具の高さ、各所素材の切替え方もここで検討します。
立体で表現することにより、明かりの計画もスムーズに進められます。
住宅ではあまり使わない素材も扱うので、店舗の設計は楽しいです。
さまざまな角度からスケッチを描き、各所の納まりを確認します。
空間全体のイメージをひと目で伝えられるのがスケッチの良さですね。
ポイントで曲面の白い壁をデザインしました。
部屋の奥にあるこの白い壁が光を反射し、窓辺との明暗差を和らげることを期待しています。
カラー剤の大きさや量、その他必要な道具も確認し、裏のスペースもなるべく無駄なく計画しています。
どうしても汚れてしまう場所なので、掃除優先の材料選定をしました。
素材サンプルもこのように用意します。各素材を並べて依頼主と意見交換をしました。
ホワイトやブラウンといっても、少しの違いで印象は変わります。グレーも濃いものから薄いものまでさまざま。
木目が控えめな樹種やはっきりと出るもの、塗装の具合や照明の当たり方によっても見え方が違います。
計画段階では決められないものもあります。
こだわるとキリがないのですが、その考える時間が設計の醍醐味です。
次回はもう少し踏み込んで設計したことをお話したいと思います。
続く。
設計:増田