リフォーム記録

大規模リフォームの軌跡4【現地下見 設計的見地】

2021年 如月

暦の上では、立春。寒さもピークを迎え、もう春がすぐそこという季節です。それでも、その日の外の気温は2月というだけありっており、その日はまさに冬の寒さが実感できる日となりました。

今回の目的は、現場を見させていただきながらの改修範囲の確認や、具体的にどこをどのようにされたい等のご要望の確認作業となります。聞き取り用のノート、必需品のメジャーや記録撮影の為の ipad・proを鞄に入れ、車を降りました。

当時建築した際の図面をお借りする為、ご用意していただきましたのでそれを見ながらの確認作業です。もう一つの目的は、当時の設計者の意図を探る(想像力を働かせ意図を感じとる)という二つが今回の大きな目的です。

前回のお話から、耐震性の向上が重要な内容でしたので、図面と現況があっているかの確認はとても重要です。30年程前(当時ちょうど私が社会人になってこの業界へ入った頃)の確認申請後の中間検査や完了検査は、現在の検査程厳しくなかった記憶がありますので、その点に注意しながら、平面図と現状の整合性の確認をしていきます。

ありがたいことに、設計図書がありました。図面は配置図、平面図、立面図、矩計図、基礎伏図、梁伏せ図、給排水図、電気配線図、仕上げ表、仕様表と、一通り図書にされていましたので、その図面を元にチェックができます。

 

(今回の重量級ボリュームの内容ですと、高さ等の詳細確認は、1日ではとても計測できない規模ですので、その調査については、また後日とさせていただき、図面内容を確認します。)

建物を拝見していきます。今回の建物についての拝見の表現としては、しみじみとみるという見方が近かったように感じます。なんとなくですが、目から見たものを認識してそして心でどう感じるのかという見方とでも言いますか。見ると一言申しましても、日本語の表現の仕方にはいろんな表現があり、つくづく日本語は面白いなあと思います。だからこそ、正確な表現しようと思えば多様な日本語の中から選別していけば、互い理解度といいますか、想いの度合いの近しいレベルになるのではと思うのです。

図面と現場の整合性を確認します。間取りのチェックから。1階が40坪あり、そこにおいては、Y方向の壁量の長さ一部に450mmに相違ある点が1か所、X方向の壁量は相違なし。2階は16坪あり、耐力壁ではないX方向の収納部に一部相違あり。なるほど。

キッチンの向きが図面では壁面に描かれていますが、実際は対面キッチンになっていました。その他には数年前に一度、他社でリフォームをされていますとのことで、電気式の床暖房がキッチン・ダイニング・リビングに設置がされていました。大きな掃き出し窓は。単板ガラスからペアガラスに変えてありました。なるほど。

広いリビングダイニングは20畳ほどあります。南西のコーナーに配置した大開口のサッシは庭を眺め、その先視線の先には公園の樹木が見えました。閑静な住宅地の中にあり、さらに隣接するのは公園といった素敵な立地条件です。なるほど、敷地を活かそうと設計をされていたのがなんとなく理解できます。

 

天井は、ピーラーの突板貼りで、化粧梁もピーラーのようです。とてもきれいな天井です。(後で気付くのですが、化粧梁は突板の化粧でした)ここは、板の色の濃さにより、室内が暗く感じるため、天井を白く漆喰にされたいとのことでした。

 

そして、ダイニングの脇から2階へ上がる階段が設置していました。当初はOM ソーラーを設置し使用していたようですが、冬が寒く、夏は暑いとの事で、外してしまわれたようでした。当時の思惑としては、家全体の室温を均一にする為、1,2階の温度差を少なくするため、開放型の間取りになっているようです。しかしながら、当時の断熱施工レベルがそこまでは、機能していないようでした。

次回へ続く。

 

黄鶯睍睆の家

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