リフォーム記録
浴室改修工事 14【リノベーション・躯体補強施工編 躯体詳細前編】
築年数、約26年目を迎えるお住まいの浴室改修工事です。
解体工事から復旧工事へと移行していく最中で色々な事象がありましたが、
おかげさまで構造躯体の補強も順調に進み、ようやく骨組みが完了となりました。
先ずは全体の完成画像です。
ここまで到達するのに実に色々とありました。
それではA面から見比べていきましょう。
計画図と実施工を見比べてみてください。
計画図と比べても遜色のない施工ができているのがおわかりになりますでしょうか。
完全完璧にはいかないですけどね。
各部材も計画に沿って入っており、各仕口部分には補強金物も取り付けられています。
画像内の字がヘタクソなのがお恥ずかしい限りですがご容赦を。
こちらが下半分の拡大画像です。
そして、こちらが上半分の拡大画像です
向かって左側上付近は、限りあるスペースで柱交換用パイプコーナーも取り付けられており、梁の継ぎ手部分は短冊金物で補強されています。
また、古い柱と新しい柱を一体にすべく、パネリードSというビスで縫い付けるように施工しています。
このパネリードSというビスは、もはやビスではなくボルトのような存在です。
ビスの太さが直径8mmありますので強度は抜群です。
実際に打ち込んでみると、ものすごい引っ張り力がありますね。
構造用として使用できるビス?ボルトビス?なので、強度的にも安心できる金物です。
詳細はこちらから⇒◆シネジック㈱ パネリードS
おそらくはメーカーの定める正規な使い方ではないでしょうが、補強の効果は十分に感じられます。
あまり理屈だけにこだわり過ぎていては、その場その場の状況に合わせた施工ができない実例もあります。
閲覧いただいている方からすれば一部不本意な面も含むと思いますが、これも耐震補強工事における“あるある”の一つです。
全て壊して新規にやり直すなら話は別ですよ。
しかし工事計画においては残すべきところもありますから、なかなかそういうわけにもいきません。
それに建築工事には当然コストというものがありますので、ご意向とご予算、また状況に見合った工事運営も必要となります。
理屈や理論、また正規の施工方法を大前提としつつも、いかに現況と見合わせて少しでも理想の形に近づけることが、補強工事においては大切な事なのかなと。
補強金物においてもしかり。
たとえ正規な方法で満足な取り付けができなかったとしても、その耐力が“0”ということはありませんからね。
文字通り、“補う強さと書いて、補強です”
ここは、知恵と知識、また経験も併せて、主たる目的を大事にしていきたいところです。
続いて右側上付近です。
もともと梁から通し柱に向かって取り付いていた羽子板ボルトは、今回の補強計画と施工に対しては残念ながら干渉材となってしまいました。
その為切断という判断を下しています。
その代わりに、新規で同等の効力をもつビス留め羽子板ボルトを取り付けし直し、確実に接合強度を同等以上に保っています。
むしろ安全側になっていますので、より安心度が高まっています。
この金物もとても使い勝手がよく、しっかりと補強できるので安心度UPです。
形は少し違いますが、目的はどちらも同じ種の補強金物です。
わがままと要望を言えば、
・羽子板形状は⇒タナカ。
・丸座形状はレンコンⅡ⇒BXカネシン。だけどネジ長は⇒タナカ仕様。
・ボルトは⇒タナカ仕様でカンザシボルト。
・スプリングワッシャが入ればよりベター。
このコラボ製品が出てくれたら最高なんですけどね。
この理想の組み合わせ形状を本気で熱望したい。
↓
おそらく使っている人ならこの意味がわかりますよね。
Φ70だと丸座が大きくて、梁受けの補強金物と干渉しがちなんですよね。
レンコンⅡの丸座の大きさがいいです。
以前、バラバラに単品買いをして組み直したこともありますが、金額がね・・高くなってしまうのが難点です。
でも、これらようなの素晴らしい補強金物がたくさん出回っていますので、上手に組み合わせた使い方が出来るのもとてもありがたいことです。
情報を持っているだけでも施工の可能性が広がりますから。
続いてB面、C面の説明になりますが、長くなってしまいそうので今回はここまで。
次回また詳しく説明していきたいと思います。
現場監理 金原