リフォーム記録
大規模リフォームの軌跡6 【詳細打合せ お仏壇を造る編】
2021年 五月(さつき)
幾度かお打ち合わせは、続いていきます。床や壁、天井の内部空間。そして日々使われる水回りの住宅設備もいろいろなメーカーのショールームへ足を運びました。水廻りは、ご家族のライフスタイルによって使いやすいサイズ、カウンターの幅や高さ、目的にあわせた水栓機能などパーツを組み合わせ選定が進んでいきます。
さていよいよ、ここから造作工事関連の打ち合わせに入っていくのです。書斎部のデスクカウンターとその収納関連、奥様の家事コーナーにもカウンターと収納関連、最近のコロナの影響による玄関近くに手洗スペース、対面キッチン前のカウンター下収納、トイレ手洗いカウンター、リビングテレビボードの収納、それと、お仏壇が今回の造作家具となります。
お仏壇は、自分自身初めての経験となるご依頼です。わくわくしますね。初めてというのは、なんとも高揚感がありますね。
まず大切なのは、下調べです。
さて、宗派と菩提寺をおききしました。そして、下池川にあります天林寺さんだということをお聞きしました。帰社して、さっそく天林寺さんの事をネットで調べました。
以下、簡潔にまとめてみます。
寒巌派を発展させた本師、華蔵義曇と続く華蔵は、諸方を遊歴し遠江に入って1428年、引間城主吉良義真の請により、随縁山普済寺を建立した。1432年に今川氏の協力を受け、寺地を現在地に移し、広沢山普済寺と改めた。
華蔵の弟子のうち十三人がとその末寺を各地に寒巌派寒の寺院を設け、遠州、尾張、甲州にわたっている。弟子の十三人が建立した十四カ寺とその末寺を一括して普済寺一三門派と称し、その後、東海の寒巌派として東海地方の曹洞宗の発展に大きく影響している。
この普済寺一三門派の一つに天林寺がありました。そして、ここで驚いたのですが、偶然にも、私の父方の菩提寺の法蔵寺(渥美郡田原町)が、一三門派一つにありました。驚きです。これには、何か不思議なご縁を感じずにはいられませんでした。
下調べもできましたので、次は、実際に足で調べます。(ドラマの刑事役で言うと現場の聞き込みみたいなものですね。)お仏壇の形式・作法についてリサーチに向かいます。突然で失礼でしたが、アポなしで天林寺さんへ行ってみました。するとちょうど住職がいらっしゃり、理由を説明しますと、丁寧に教えてくださいました。
上段にお釈迦様、中段にお位牌、最下段には、中央に高杯を置き、その脇に花立を設けます。施餓鬼旗を掛けるフックの様なものが必要など、いろいろと勉強になりました。
日を改め、その次は、お仏壇屋さんへ行って事前打ち合わせです。こちらは、アポイントを取り、図面をもって伺いました。お店の方と住職にお聞きした形式を確認し、造作として収める高さや幅、奥行きサイズについて問題はないか、樹種の仕様、扉をどのように開く形にしたら良いかなど、一つ一つ、事前の打ち合わせをしていきました。初めてな為、お仏壇知識をいろいろとご教授いただきます。
クライアントさんとのお仏壇打ち合わせは、初めはご自宅へお仏壇屋さんに来ていただきました、お位牌などを確認していただくためです。次はお仏壇屋さんの方で打ち合わせて、いろいろなお仏壇を見学していただきました。その次は、またご自宅にて、樹種サンプルをお持ちいただき検討していきます。他の造作家具と合わせて、ブラックチェリーに決まりました。一体感があり、素敵になりそうな予感です。
4回、5回とお仏壇を作成するにあたり、お打ち合わせを重ねていきます。無いものから造るということは、お互いに大変な作業ですね。そしてお仏壇の図面もだんだんと出来上がってきます。
現場に収めるのは、まだまだ先ですが、とても楽しみになってきました。
カスタマー・サポート
夏目通宗