リフォーム記録

大規模リフォーム・フルリノベ 06【現場検証 vol.02】

築年数、約35年目を迎えるお住まいの大規模リフォーム・リノベーション工事です。

 

前回では内部の解体もだいぶ進み、全体的に骨組みが見えるようになってきました。

この段階で技能大工の長谷川氏と2回目の現場検証を行います。

1回目は主に構造に関わる内容について現地ですり合わせを行っています。

当然同じように構造に関わることも含みますが、2回目としては主に高さ関係について現場検証です。

もともとの床高を基準にして、そこからどう展開していくかという内容を詰めていきます。

画像をみると土間コンクリート部分に×印がたくさんついていますね。

こちらはこれから解体していく範囲を示しています。階段は既存残しなので、その範囲はコンクリートカッターを入れて解体部分と既存残し部分をわけていく目印です。決して間違いの×ではないのでご心配なく。

レーザー墨出し器を用いて、今後の基準となる高さを出していきます。

 

出していくとはいってもどのような手順かがわかりづらいですよね。

これはDIYにおいても活用できますので、よろしければ同じ知識を皆さんと共有できればと思います。

ちょっと説明がわかりづらいかもしれませんがそこはご容赦を。

 

①先ずは仕上がりとなる床の高さをセットします

床の作り方によって高さは様々なので決まりはありません。

想定している作業内容、またその場の状況に合わせて高さをセットします。

この場合では土台の上からどのくらい上がったところが床の高さになるのか?

この床高を仮セットしてから他の高さを設定していきます。

(例)根太60mm+下地合板1mm+暖房パネル12mm+床板15mm=99mm

↑ ↑ ↑これが先ずは基準となる高さ。

 

➁基準となる高さがわかる定規棒を作成します。

高さをセットする際にその都度メジャーで測ってもよいのですが、どうしても間違いが生じやすくなってしまいます。

これ結構ありがちなんですよ。

皆さんもDIYの際にそのようなご経験はございませんか?

『なんで間違ってるの?』『どこで間違えた?』など ←これイヤですよね。

そこで活躍するのが”バカ棒”です。

一体なんて呼び方するんでしょうかね 笑

簡単に言うと、適当な木の棒に必要な墨線を書いた当座として使用するその場専用の定規棒ですね。

Google先生で調べると、皆さん色々な”バカ棒”を作成されていますね。

ここでもバカ棒を作って各箇所に高さを出していきます。

アナログですがこのやり方が一番正確で間違いがありませんね。

 

③次に今後の施工(作業)の基準となる高さをセットしていきます。

さて、バカ棒まで製作が整いました。

ここではわかりやすく床高から1m(1000mm)上がったところを基準墨としています。

したがって、レーザー墨出し器をこの高さにセットして、それを柱や間柱に墨付けしていきます。

この1mというのは任意の高さ設定です。したがって仮に20cmだって、50cmだってその高さ設定に決まりはありません。

要は皆さんが何か作業される時に、基準としやすい高さにセットすればOKです。

↓ ↓ ↓実際墨を付けていくとこのようになります。

 

④基準となる高さをセットしたところから墨を出していきます。

ここまでで基準となる高さがセットできました。

どのお宅だって高さは水を打ったように平らとは限りません。

同様に何ミリかの誤差は当然として生じます。

したがって、現地での平均値を取り具合のよい高さをセットしていきます。

この基準墨(レベル)がでれば、後はこのレベルを基準として各高さを出していけば良いわけです。

・先ずは床の高さを仮セットし、そこから1m上がったところに墨線を書く。

・そしてその墨線を基準にして、そこから1m下がったところが床の高さになる。

この基準となる高さの墨さえはっきりしていれば、どの高さにでも墨を出すことができますよ。

↓ ↓ ↓ちなみ障子にだって出せます。

もともとここのお宅は床下暖房だったので床下換気口がありません。

リノベーションに伴い床下の換気をよくすべくキソパッキンを仕込む予定です。

そこで増築部分の基礎の高さは、既存の基礎の高さよりも20mm下げて造る必要があります。

こういったところの高さ設定にも注意が必要です。このパッキンの厚みは20mmなのでその分加味して墨付けをしていきます。

 

ざっくりですが、これが高さを出していく手順と注意点などになります。

説明が下手でごめんなさいです。

よろしければ皆さんもDIYの際には是非参考にしてみていただけたらと思います。

↓ ↓ ↓実はこれもバカ棒ですよ。

適当な木の棒に、ただメジャーをくっつけただけの物。これだって十分定規になります。

ちなみにこの”バカ棒”・・格好良く言うと”スタッフロッド”とも言えますね。

ショップに行けば色々と便利な道具が売っていますが、現地にあるものをどれだけ利用できるかどうかというのも、建築現場の実務要素としては必要とされる場合が多々あります。

一見不要と思われるものでも別の見方や考え方をすればものすごい好都合のものだったり、また反対にこれは絶対必要なものだと思ったとしても実際にはあまり使えないものだったりと、その判断基準は一つとは限りません。

おそらくは建築だけに限らず日常生活の中でも同じようなことがあるかと思います。

ちょっとした工夫で格段に使いやすくなることもあるので、考えるということはとても大切なことだと思います。

きっとそのような考えや工夫から画期的なグッズが色々と販売されているのでしょうね。

かゆい所に手が届くようなもの、これがヒット商品へのきっかけになるのだと思います。

 

大規模リフォーム・フルリノベ 06【現場検証 vol.02】

現場監理 金原