リフォーム記録
大規模リフォーム・フルリノベ 08【足場、素屋根組立て】
築年数、約35年目を迎えるお住まいの大規模リフォーム・リノベーション工事です。
前回に続き外部の解体作業が進んだことにより、外部足場の組立て作業ができる状態になってきました。
繰り返しになりますが、今回の改修では”減築”(げんちく)という工程があります。
減築は減築でも、”減築したところに今度は屋根の形を変えて増築する”といった、少々複雑的要素を含む工事が控えています。しかも切り離したところをシートで壁を塞ぐことができないので、解体後の雨養生ができない状態になってしまうというリスクが非常に高くなります。
↓ ↓ ↓屋根の形がこのように変わる計画です。
しかも、屋根の掛け替えと併せて屋根の葺き方も変更となる計画です。
目指すは和風旅館のイメージ。
現在は板金での”瓦棒葺き”という屋根の葺き方ですので、タテ方向のラインが強調されておりますが改修後にあたっては、これを”平葺き”又は”段葺き”といった横方向のラインが主体となるような外観に再生する計画であります。
いよいよ足場の組立て開始です。
資材搬入用のトラックにはたくさんの仮設足場部材が積まれています。
ほぼ、鉄の塊ですからね。部材重量も重たいので運び入れだけでも大変な作業であります。
建物の外周を、タテとヨコのパーツを上手く組み合わせて足場を形成していきますが、これなかなかに難しいですよ。
仮設部材も決められた寸法がありますので、どのパーツをどのように組んでとか、高さをどのように設定してとか、作業に入る前には頭の中や図面などでのシミュレーションが必須のことと思います。
しかも足場の組立てはほとんどが足元の悪い高所作業。
高いところまで重いものを運び上げてさらに組み立てていく。仮設工事とはいえかなりのハード作業です。
足場組立ての職方さん達には本当に頭が下がります。
改修工事に至っては、隣地境界との離隔や建物の屋根も張りだしており、作業スペースや移動スペースにも限りがあるのでそのようなところも注意しながらの作業が必須となります。
足場の組立て進行に伴い、素屋根部分の組立てにも取り掛かっていきます。
↓ ↓ ↓前回お伝えしたこのような計画ですね。
通例では、軒先のラインより約1mくらいあがったところがタテの先端くらいになりますが、素屋根を組むために軒先よりもかなり高めにタテの部材が伸ばされているのがわかります。
そのタテの部材と組み合わせるように仮設の屋根をつくる為の部材が組まれてきています。
↓ ↓ ↓なんとなく屋根となる部分の外観が見えてきています。
そしてこの組まれた足場部材の上に合板を敷き並べていき屋根の下地を作っていきます。
最終的に雨が入らないようにブルーシートを張って”素屋根”が完成しました。
足元の不安定な状態の中、とても大変な作業だったことと思います。足場組立の職方には本当に感謝です。
これで足場も組上り素屋根も出来上がりましたので屋根と外壁の解体に着手できます。
この素屋根があることで、雨の心配もなくすこぶる安心して作業ができますよ。
安心して作業が行えるという事はすなわち余計な心配をしなくてよいわけで、その分集中して作業に従事することが可能となります。
『気を付けて!』だけでは安全にはつながりません。
物理的に安全につなげる為の環境整備はとても大切なことですね。
↓ ↓ ↓ついにこの建物外観も見納めの時がきました。
改修計画にのっとって、より素敵な外観に再生するようリノベーションしていきますよ。
完成まではしばらく先ですが、その移り変わりを楽しみにいただければと思います。
大規模リフォーム・フルリノベ 08【足場、素屋根組立て】
現場監理 金原