リフォーム記録
戸建リノベ・店舗増築 09【増築部組立て】
築35年の戸建住宅の増築リノベーション。
無垢の木・自然素材を使用したプライベートヘアサロンの計画です。
前回はサッシの交換を行いました。
ここまでは増築部の下準備でしたが、今回から増築部の組立てに入っていきます。
以前のブログ02【サロンの計画】にも出てきた模型写真。
赤丸が増築部分。ここの構造フレームを組立てていきます。
まずは下準備。棟梁が外壁をめくり、既存の柱に加工を施します。
(高所作業はヘルメットを着用しないと危険です)
「ホゾ穴」といって、増築部分の梁をこの穴に差し込み、既存と新設部分の構造を一体にします。
丸い穴にはボルトが入り、木組みと金物で構造体をガチっと固めます。
この作業を組立て前日に仕上げておきました。次の日の朝からいよいよ組立です。
私が現場に着いた頃には既にこの状況。
職人が集まると作業が早い。
若手とベテランの大工が応援に来て終日作業をしました。
写真は最も大きな斜めの登り梁をはめ込むところ。
建物のコーナーで屋根の勾配もあるので、既存部分との取り合いが難しいところです。
先ほど触れたホゾ穴の加工。
現場で微調整ができるようになっていました。
難しい場所をきれいに納めるには「現場合わせ」が必要です。
慣れた手つきで木を加工するベテラン大工。
ここが一番難しいポイントです。
既存建物の経年による変形を見て微妙に隙間をつくり、ピタッと納めてくれました。
梁の上に鉛筆の線が描いてあるのが分かりますでしょうか。
柱と梁は全て大工の手で加工しています。
構造体が組み上がりました。
ここからは屋根の下地づくり。
断熱材を敷きこんでいます。発泡スチロール状の高性能断熱材です。
合板を敷き込み、釘を留めつけているところ。
屋根用防水シートを隙間なく敷き込みます。
建物のかたちが見えてきました。
大工は手分けして作業しており、奥の方は壁もつき始めています。
前回のブログ08【サッシを交換する】で交換したサッシの上にも屋根を作っています。
夏の日差しを遮り、雨から外壁を守ることが目的です。
空いている部分には後にガラスをはめ込み、その下にはウッドデッキをつくります。
作業も終盤。日が暮れる前までに壁をつくります。
増築部分の中の様子。
暮らしながら工事していますので、まだ既存外壁は外せません。
1日がかりでなんとかここまで。
夕方にはお施主様が帰ってきて「1日でこんなにできるんですね!」と驚いていらっしやいました。
ここまで出来るのは、事前によく考え、入念な準備があってこそです。
作業の手を止めることなく、材料の不足も大きな不具合も出ないのは棟梁と工事監理者の成果です。
手を動かしながら頭も回転させますので、この1日はとても疲れましたが、最後には建て主の喜ぶ顔が見られ、大工も含め皆笑顔になりました。
大がかりな大工作業が終わり、ここからは棟梁ひとりでコツコツと進めます。
続く。
設計:増田