リフォーム記録
浴室改修工事 04【リノベーション・解体編後半】
築年数、約26年目を迎えるお住まいの浴室改修工事です。
解体工事も順調に進み、終盤にさしかかっています。
今までは造成の浴室でしたが、今度はシステムバスに新しく生まれ変わりますので、設備機器の高さに合わせた仕上がり条件が必須となります。
したがって、仕上がり高さから逆算して、ちょうど良い高さになるまで、溜まった水を吸い取りながら土砂の搬出を行います。
本当に解体業者の職方には頭が下がる思いですよ。
いつも心から感謝いたしております。
パートナーでいてくれることに本当に感謝です。
そちらの工程が一段落してから、最終的な内部撤去作業に取り掛かります。
取り外した断熱材や耐力壁合板類も、損傷の激しいところから、真っ当なところまで状況は様々です。
ご覧の通り、既存の構造部材、及び準構造部材も劣化損傷が激しいので、そのようなところは極力機械に頼らず、現状と見合わせながら、手作業で落ち着いて”バラシ”を進めていきます。
正常なところであれば、チェーンソーやレシプロソーなどを使用して、切断解体を進めていけばよいですが、劣化損傷の激しい部分で機械に頼りすぎてしまうと、劣化の加減が手に伝わりづらいだけでなく、結果余計なところまで刃先が入ってしまう危険性が伴います。
効率的な使い方は無論大事ですが、機械に頼り過ぎは禁物です。
些少時間的にも非効率かもしれませんが、結果的には的確な内容で作業を実行することができますので、作業中の手から伝わる感覚も大切にしなければなりません。
建築だけに関わらず、他でも同じようなことが言えるんじゃないでしょうかね。
手の感覚は大事ですよ。
ここにしっかりとした土台部材があったはずですが、経年の劣化損傷で既に原型をとどめておらず、脆くボソボソの状態であり、機械の力に頼らずとも手で掴んだけで”ズコッ”と取れてしまう現状でした。
アンカーボルトも貫通していたはずなんですけどね。
白蟻被害と漏水被害の危険性が、まざまざと垣間見えました。
こちらは、当時の筋交い補強プレートです。
耐力壁部材の筋交いは原型がなくなっており、補強金物だけが原型をとどめたまま錆びに侵食され、かなり傷みが激しい状態です。
機械を極力使わずに、手の力だけで取れるものは取り外し、一通りの解体作業がこれでENDとなります。
劣化損傷が激しいのはご覧の通りですが、よく見てもらうとわかるように、建物のこの一角が宙に浮いている状態となっています。
土台が無く、
柱の根元が無く、
間柱の根元も無く、
かつ耐力壁の根元がごっそりと無くなっている状態です。
その中で救いだったのは、この状態である時に大きな地震が発生しなかったことです。
考えただけでも恐ろしいことですよね。
大きな地震がこなくて良かったぁと、本当にそう思いました。
でも家ってすごいですね。
ここまで構造材の劣化損傷が激しい中で、外壁材や下地類といった複合的な部材の影響で、総合的にこれまでを守ってきてくれたんですよ。
『長い間大変お疲れ様でした。大変だったでしょ。』
『悪い所は取り除いたから、一先ずはゆっくりと休んでください』
と、声をかけてあげたいと思います。
今でこそ1階の柱脚部には使用しなくなった、ホールダウン金物用の座付きアンカーも、役目を終えてひっそりとしているようにも見えます。
皆、疲れ切ったような感じで、ようやく何かから解放されたようにも感じてしまいます。
みんな長いこと大変お疲れ様でした。
さぁて、今度はここから復旧に向かって取り掛かっていきますよ!!
待っててくださいね!
現場監理 金原