リフォーム記録

浴室改修工事 05【リノベーション・復旧編 設備工事】

築年数、約26年目を迎えるお住まいの浴室改修工事です。

解体工事も完了し、これから各復旧工事に取り掛かっていきます。

先ずは給排水設備工事の切り回しです。

なんで、切り回しって言うんですかね?

建築の独特な言い方ですが、現場ではこれで通用します。

土の下には厚さの薄い防湿土間コンクリートがありますので、先ずは斫り(ハツリ)から開始していきます。

むやみに斫ってしまっては、既存の管を破壊しかねないので、専門職の経験則も元に慎重に斫りを進めます。

ある程度斫りが進み、管切断を目論む箇所が見えてくれば、ここからはさらに慎重に手作業で進めていきます。

切断除去した既存の管です。

土の中、また漏水の影響もありかなり錆が進行しています。

よく見てみると、全てが錆びているわけではなく、管の途中は所々錆の進行があまり見られません。

ここは防湿コンクリートで被覆されていたところですね。

どうしても土の成分は酸性に傾きますので、金属にとってはあまり条件はよろしくないですが、コンクリートはアルカリ成分が強いので、錆の進行を遅くしてくれます。

時間と共にコンクリートも中性化してきますので、100%錆の進行を止めてくれるとは断言できかねますが、一般的には土がかかるところにおいては、約60㎜の厚さが確保されていれば長期的に安心と考えられています。

これは基礎にも共通して言えることですので、とても大事な規則の一つです。

この考え方が、後の工事において重要な判断基準となります。

給排水配管の切り回しが整いました。

もともと、浴槽側と洗い場側に排水管がありましたが、浴槽側はキャップ止めとし使わないようにしました。

専門用語が混ざりますがご了承を。

排水経路において、絶対にやってはいけないのが“ダブルトラップ(二重トラップ)”です。

これ基本中の基本です。流れが悪くなってしまいますから絶対NGです。

造成の浴室では、間接排水という手法が主だった為、浴槽の下にはトラップ(封水)が無いんですね。

もっと言うと、排水がつながってないんです。まさかとはお思いでしょうが、これ本当です。

したがって、浴室内に臭気が上がってこないように、排水経路の途中において土の中でトラップをつくる必要があります。

排水管とエルボで曲げて作ったり、そのような構造になっている配管部材もありますが、現況に合わせた施工が必要になります。

これを現場用語では“2号トラップ”と言ったりします。“2号を切る”とも言いますね。

要は封水措置(防臭措置)を作るという意味ですね。

先ほどの二重トラップと似ている言葉ですが、意味が全く異なります。

今回はシステムバス(以下SB)に生まれ変わりますので、SB側に既にトラップ(封水)があるわけです。

そこで、この浴槽側の排水に接続した場合、“SBのトラップ”と“2号トラップ”が一連の排水系統になってしまう可能性があり、結果“二重トラップ”になってしまう危険性がとても高くなってしまいます。

それは絶対に回避しなければなりません。

もしかしたら、洗い場側の排水経路が土の中で浴槽側と一緒になっている可能性も0ではないので、それも考慮しながら常に危険予測をしていかなければなりませんね。

 

今回のまとめです。

➀ コンクリートに被覆された鉄管は錆が進行しづらい。

② 二重トラップの危険性を予測しながら排水管接続を行う。

この二点とても重要です。

なんか講習やテストみたいな感じになってきました。

この考え方、後々の工事につながっていきますので、覚えといてくださいね。

さぁ、復旧を進めていきますよ。

 

現場監理 金原