リフォーム記録

浴室改修工事 06【リノベーション・復旧編 土間工事】

築年数、約26年目を迎えるお住まいの浴室改修工事です。

給排水設備工事の切り回しも完了し、これで土間コンクリート工事に着手可能となります。

先ずは敷き均しから手を入れて、砕石を敷設していきます。

計画の高さ+αまで敷設したら、振動コンパクターを用いて転圧(突き固め)を行います。

当然ですが、砕石を入れただけではフワフワした状態になります。

これではダメですね。

土間コンクリート打設にあたっては、その下地となる砕石をしっかりと突き固めておくことが大切です。

なんでもそうですが、真っ当な仕上げにするには、下地作業をしっかりとやらなければなりません。

目には見えなくなってしまうところこそ、絶対に手を抜いてはいけないところです。

しかし、この限られた空間での突き固め作業音は凄まじいものがありますね(笑)

 

さて、解体時に水が溜まっていたのを覚えてますか?

その水を下に浸透させるように、防湿コンクリートを一部斫りました。

ということは、反対に下の土中から湿気が上がってくる可能性も0ではありません。

したがって、湿気対策として安心と安全を期すために、防湿シートを敷き込んでいきます。

防湿シートを施すことで、下からの湿気上りを防ぐことができます。

これとても重要です。下地ですよ、下地。大事大事。

そして、シートを敷き込んでから、ワイヤメッシュを敷設していきます。

ここでストップ!

限られた空間の中で、1枚のシートで隙間なく敷き込むことは意外と難しいものです。

そこで、小さく切ったシートを何枚か重ねるようにして、極力端部に隙間ができないようにさらにシートを敷き込んでいきます。

どうですか?

前の写真と見比べてもらうと、ほとんど隙間がないのがわかるかと思います。

何度もくどいようですが、

・後からでは見えなくなってしまうところ

・後からでは手の施しようがないところ

こういうところこそ、絶対に雑にやったり、手を抜いてはいけないところです。

安心とはこういうところから始まるんだと思います。

 

前回のブログでは、

『コンクリートに被覆された鉄管は錆が進行しづらい。』と記載しました。

これを実行に移していきます。

給水、給湯の切り廻しにおいて、全ての既設管を交換できるわけではありません。

したがって、施工に支障のないところで既設の管を切断し、新しい管につなぎ変えます。

つなぐということは、必ずそこにはジョイント金具が配されるということです。

これを今までと同じように、土や砕石で埋めてしまったらどうなると思います・・・

もう、おわかりですよね。

錆ですよ、錆。錆の進行の心配が払拭されません。

錆の進行を遅くするには、アルカリ成分であるコンクリートで被覆してあげることが有効です。

しかも厚み60mm以上がより有効です。

したがって、管廻りの壺掘りをしたところは、全てコンクリートで覆うよう無垢でぶち込みました。

(※言葉の表現が不適切ですみません。でも一番わかりやすかも)

こうすることで、管廻りをコンクリートでしっかりと被覆することができ、かつ完全に60mm以上のカブリ厚さが確保されていますので、より長期的な安心と安全が得られるようにリノベーションができています。

建築で言うリノベーションとは、新築の状態よりも性能を向上させたり、手を加えて価値を高めたりすることを指します。

リノベーションとは考え方やその為の方法であり、工事の種類そのものではありませんね。

小さなリノベーションの積み重ねが、結果しっかりとしたリノベーション工事につながっていくわけです。

 

先ほどの砕石と同じで、コンクリートもただぶち込んだだけではダメですよね。

コンクリート内部に空隙ができないよう、鏝の剣先などを用いて突くようにしながら、しっかりと充填作業を行っていきます。

その上で、周辺と馴染むように高さを調整しながら打設作業を整えていき、土間コンクリートの打設作業が完了となります。

コンクリートもしっかりと乾いてとても綺麗な状態となりました。

浴槽側の排水管がなくなっているのが、はっきりとわかりますね。

これで、構造躯体復旧前の全ての事前工事が整いました。

いよいよここから木造躯体部分の復旧作業に取り掛かっていきます。

引き続きしっかりとリノベーションしていきますよ。

この劣化損傷した躯体の状態からどのようにリノベーションしていくか、想像を膨らませておいてくださいね。

 

現場監理 金原