リフォーム記録
磐田市の平屋リノベ 08【完成・引渡し編】
磐田市の築30年の平屋戸建リノベーション。
先日無事、お引渡しが完了しました。
設計者目線で、建物概要を写真と共にご紹介します。
こちらがリノベーション後の間取り図。(完成時は少し変更しています。)
主にLDKの間取り変更、断熱改修と共に内装の模様替えをしました。
このように、キッチンの位置を大きく変更しています。
そのあたりから、写真で解説していきます!!
もともとはダイニングの奥にキッチンがありましたが、ダイニングに隣接したオープンキッチンに改修しました。
壁の位置も変え、物理的にも以前より広くなりました。⇒改修前の写真はこちら
ダイニングの天井は既存のまま。これに合うよう内装をコーディネートしました。
お施主様が以前から使用していた八角形の無垢板のダイニングテーブル。
浜松の家具店舗(シュクレ)でメンテナンスしました。無垢の家具は傷も汚れも「味」となり、使い込むほど美しさが増します。
奥の窓は内側にガラス戸をはめ込み、景色を取り込みつつ、断熱性能の向上を図っています。
サッシのアルミ枠が見えないですし、意匠的にも空間を引き立てるポイントです。
そしてこのオーダーキッチン。ステンレス天板がシャープな印象でかっこいい。
手前に見えるオリジナルのコンセントも「オーダー」を引き立てるポイントです。
他にはない、見たことない、がオーダーの良さ。テンションが上がります。
カウンターの下には表裏それぞれに収納があり、調理器具や食器類など、見た目以上に収納力があります。
タオル掛けまでステンレスのオリジナル。
天板の水返しもダイニング側に向けて徐々になくなっていく形状になっています。
キッチンに合わせて黒く塗装した板張りの天井。
低く抑えた天井の上面に間接照明を仕込みました。柔らかな光が広がり良い雰囲気です。
壁と天井を白く仕上げ、明かりを反射させるアイデアはお施主様からご提案頂きました。
スイッチやコンセントを付けないのも、明かりのグラデーションを演出するポイント。
もともとキッチンがあった部分の出窓。
こちらにも製作ストーリーがあります。⇒詳しくはこちら
黒と白のコントラストが既存のサッシと合い、雰囲気良く仕上がりました。
無垢のカウンターは良いですね。集成材ですが、黒く着色しましたのでジョイントも目立ちません。
その下のスイッチはなるべく目立たない、小さなもの選びました。
キッチン背面の収納スペース。既存のサッシに合うよう空間設計しました。
主に家電や食器類の収納します。こちらもオーダーキッチンと同仕様。
ステンレスヘアラインの天板。
椅子を収納するスペースもありますので、ちょっとしたワークスペースとしても利用できます。
壁の一部は穴あきの板で仕上げました。
フックを引っ掛けて、カレンダーや小物を掛けられます。
リビングから見えない位置ですので、見かけを気にせずに必要なものを好きな位置に掛けられます。
こちらは玄関ホール。
もともとの出入り口を塞ぎ、静岡県産の杉板張りで仕上げました。
こちらは写真や絵を飾るギャラリーになる予定です。横張りの部分が掲示エリア。
そして奥の折戸の先がクローゼットになっています。
折戸を開けたところ。
こちらも静岡県産の杉板に。収納内部ですので節のあるものを選びました。
杉材は調湿作用があるため、こういった収納内部への使用に適しています。
床と天井にはそれぞれ点検口を設けています。
トイレも便器と内装を改修しました。
手洗いがあったところにはオリジナルの木製収納を。
トイレットペーパーがピタリと入るような大きさになっています。
リモコンやペーパーホルダーとのサイズ感、質感の相性もばっちりですね。
今回は家全体でなく、部分リノベーションでした。
これからここで生活を始め、必要な部分を改修したりメンテナンスしたりして、暮らしながら少しずつ手を入れていく予定です。
リノベーションは工事範囲を選択できるところが良さだと、私は思っています。
そして、住み始めてからも常に相談できる人や企業があることも、住まい手にとって大きなメリットになると思います。
家も人間と同じで、年を重ねるほどメンテナンスが必要になります。
何か不具合があった際もすぐに駆けつけてくれる人の存在が、安全や安心につながります。
最後に、お引渡し時のひとコマ。
設備機器の使用方法や各素材の手入れの方法を説明するのは勿論、
お施主様とこれまでの思い出を語ったりすることも大切な時間です。
お引渡ししてからが本当のお付き合いです。
この住まいの守り手として、かかりつけ医のような存在になれるよう心がけていきたいと思います。
設計:増田
〇これまでの物語はこちら