だから『地域工務店はおもしろい』
自ら志願して現場監理を行った、この経験が今に生かされています。
増田:設計で10棟あまり経験した頃から、納まりなど現場と意思疎通を図りきれていない部分があることに気づきました。設計図に込めた自らの思いが伝えられていない。現場ではどのように職人と打合せし、ものづくりを進めているのか疑問をもち、自ら志願して現場監理に配置転換させてもらいました。
岡本:そうでしたね。
サン工房はスタッフがやりたいことに“NO”を言わない。
施工を知るという意味では、現場は職人との距離が近くて材料や作り方を学びながら、納得して物づくりができる環境が整っています。
増田:特に”山嶺露の家”の現場監理を担当したのが転機になりました。
上司でもあり、施主でもある社長が「失敗していいからやってみろ!」と現場監理になりたての僕に任せてくださって。
ただ、段取りが悪いとよく怒られました(笑)
設計図面を見ながら施工方法を考え図面を描き、現場で職人と打ち合わせしていく。良い建物を造るために技術だけでなく、仕事の運び方、職人との関係性など知れることはとてもいい勉強になったし、今もその経験が生かされています。
新築からリフォーム・リノベーションへ。仕事の幅を広げる。
増田:新築の現場監理の経験を積んだ後、古民家リノベーション“静心の家”や自社社屋の改装を自ら担当して行いました。
改修工事は調査の段階から職人との打合せが多々あり、コミュニケーション能力や施工知識が必要になります。新築の経験があっても、最初は分からないことばかりでした。家によってつくりが全然違う。数をこなして少しずつ新たな知識を習得し、今ではリフォーム案件の提案や施工計画も自信をもって話せるようになりました。
岡本:会社も創業40年以上が経ち、お施主様も世代交代しつつあります。
僕たちは設計から施工まで行っているため、当たり前ですが建てた家のことは誰よりも分かっています。
そのため環境や家族構成、暮らし方が変わったお施主様へ、今の暮らしに合うリフォームや住み継ぐというご提案もしています。
増田:自社オーナー宅だけでなく、他の住宅会社の建物にも提案は可能です。
今ある建物の不具合を改善し、新たな魅力を見つけながらリノベーションするというのは、新築とはまた違うやりがいや喜びがあります。