だから『地域工務店はおもしろい』
入社したきっかけ
岡本:元々住宅会社で約10年間、営業と設計を担当させて頂きましたが、決まった型から外れる提案が難しい環境にあったように思います。悶々としながら住宅関連の専門書を読みあさっては、自分の狭さを知り、自由で美しい設計に憧れました。当初は設計事務所も考えましたが、より現場や職人に近い距離でものづくりに携わる事のできる環境を求め、その頃は30代でしたが一念発起し転職を決めました。
増田:私は大学院修了まで建築やデザインを学び、東京や大阪などの組織設計事務所を中心に就活しましたが上手くいきませんでした。その当時は住宅設計や木造建築にこだわりはなく、工務店は施工だけの会社だと思っていました(笑)。大学の先輩から「工務店が設計職を募集している」と声を掛けて頂き、はじめてサン工房のことを知りました。それから会社訪問して設計に力を入れている工務店だと分かり、入社を決めました。
入社した当時はどうでしたか?
岡本:一から学び直す事が多かったですが、建築に関する書籍や過去の実例など多くの情報が蓄積されており、自ら学ぶことに困る事はありませんでした。
実際の設計業務は、選択肢が無限にあることが楽しく、良いものをつくる事に手間をかけ、お客様からも社内からも評価される事にしごとの喜びを知りました。
増田:入社してすぐは社会人としての基礎知識を身に着けるために、先輩スタッフに同行して現場での打合せや接客の場に慣れていきました。
3か月ほど経った頃から住宅見学会等でお客様へ直にお話しする機会が増えていったのですが、正直初めの1年間ぐらいは建物の説明しかできず、言葉のキャッチボールが苦手でした。設計職を希望して入社したのですが、営業的な事もする必要があり苦労しました。
口下手でもお施主様のことや建築の事を真剣に考えていれば、伝える事はできる。
岡本:僕は口下手で、営業担当として、家も自分自身のことも、売り込むのは今も得意ではありません。
ただ、自身で学び、体感してきた事、本当に良いと思えるものに関しては、自信を持って伝える事ができることが徐々に分かってきました。逆を言えば自分が良しとしない事は、上手くしゃべる事ができないのです。建築が好きであれば、あとは正直にそのまま伝えれば、その所作がお客様にも伝わるという感覚です。口下手=欠点とは思わなくなってきました。
増田:僕もそうでした。
営業活動は正直苦手でしたが、プレゼンの機会をもらったときは、時間の許す限り模型やスケッチなどの資料作成に尽力しました。説明が上手くできなくても、時間をかけて製作したものが喜んで頂けることにやりがいを感じ、次の受注への意欲が沸きました。経験を積むうちに徐々に自信がつき、対話や営業活動への苦手意識が減っていったように思います。
岡本:出会いからはじまり、設計・施工、お引渡しから点検まで。
責任も重たいですが、最初から最後まで正直に家づくりができることが良いですね。
また設計していく上では現場で職人と話さないと伝わらないことは多いと思いますが、地域工務店の良い所でもある、経験と知識のある職人が施工し、つくり手の顔や気質が見える安心感。固有の技術と信頼があるから、絵に描いた餅にならず、実体の有る設計力が身についていくのも魅力です。
増田:建物完成時は設計担当者が現場で設計意図や工夫したところを説明する社内勉強会があり、併せて行う社内検査は設計・施工の両社の目と完成を養う場であり、皆で情報交換しています。
岡本:お客様に喜んで頂くのは当然で、かつ僕達も納得できる物づくりを行うために、立場や年齢を超えて全部正直に言う!それが当社の理念です。